半幅帯について 前編 〜出会い〜
なぜ半幅帯にステンシルをするようになったのか?
自分のサイトをご覧になられた方が
『なぜ、しばきりしげゆきさんは半幅帯を作っているのだろう?』という
疑問を持たれても仕方がないと自分で思います。
そこで今回は自分と半幅帯との出会いについて書きます。
時を少々さかのぼります
自分は’97年にろうけつ染めを始めました。
衣類やインテリアに使えるものを染めていました。
東日本大震災後、いろいろと思う節もあり
それまでの生活に区切りをつけて
’12年~’16年の間タイのチェンマイにいました。
その間にステンシルを主な活動にするようになりました。
チェンマイにいた頃は市場に行って布を選ぶ、ということが
当たり前にできていたのですが
帰国してからは、市場ではなく生地屋さんにいっても
ステンシルをしたいと思える生地が見つかりませんでした。
遠州木綿とのファーストコンタクト
そんな状況が続く中、’18の春のこと。
友人(以下友人Aとする)が経営する飲食店の雑貨コーナーで
手ぬぐいサイズにカットされた遠州木綿と出会いました。
池沼織工房の作業風景
画像は千織さんのサイトより
自分は静岡市清水区在住。
その遠州木綿は浜松で織られているもので生活圏ではないけど
同じ静岡県ということで地元意識が芽生えました。
しかも、一昔前のタイプの織機を使うことで
スラブやネップといったアジのある糸を使うことも得意とし
趣のある生地であることも魅力的でした。
そんなわけで、まずは遠州木綿にステンシルをしてくるみボタンを作り始めました。
遠州木綿のくるみぼたんをバッジにしました。
詳細を見る
運命の出会い、、、かな?
それから数ヶ月経った’18の夏
友人Aがステンシルをしている自分のために
無地の白い遠州木綿を仕入れてきました。
その生地は横糸がネップだらけのザラザラした感触のものでした。
縦糸も横糸も白い糸で確かに無地ではあるけど
無地とは言い難いほどの表情を持っています。
早速購入してステンシルをしてみると
なんともいえない味のある色ののり具合で
すぐに魅了されてしまいました。
そこから「さてこの布で何を作ろうか?」と考えるようになりました。
生地そのものに魅了されたのは自分にとっていいことですが
その味わいは「ザ・日本」という印象から逃れられないものに思えました。
この時期の自分は和物というフィールドで物作りをする、ということを
全く考えていなかったため「さて、どーしよう」と足踏み状態が続きました。
とにかく歩みを進めてみる
半年以上思いを巡らしてはみたものの
やっぱり和装に使えるものがいいんじゃないか?
それ以外のアイデアは生まれませんでした。
多くの日本人がそうだと思われますが
和装といえば七五三と小学生時代の盆踊りしか経験はありません。
和装の知識ゼロといって差し支えない状況。
まずは生地を織られている浜松の『池沼織工房』さんの
ショールームである『千織』さんを訪ねてみようと考えたのが’19年5月。
この頃には、浜松が古くから織物が盛んで今でも繊維産業の街としての顔も持ち
遠州木綿を盛り上げる「いとへんのまち」というイベントがあること、
着物の世界も過去の形式にとらわれない「ふだんきもの」と言われる
現在進行形の概念がある、ということを把握していたこともあり
千織さんを訪ねるにあたりいとへんのまちさんにも合流していただきました。
当時手元にあった自分の作品も持参して
和装関係で何か作っていくとしたら何がいいのか?
相談に乗っていただきました。
そこで登場したのが『半幅帯』というワードでした。
この時は半幅帯そのものがその場にあったわけではなく
・ふだん着物でよく使われる帯である
・帯の幅は16cm程度、長さは4m超と最近は長くなってきている
・帯全体に柄を入れずに、
帯を締めた時に前に来る部分に柄があるだけでも帯として成立する
このような情報をいただいて帰宅しました。
そこから、実際に自分にどのような半幅帯が作れるのか?
半幅帯はもちろん着物についてもっと知りたい。
自分も着物を着てみたい、などなど
それまでの自分の中になかった疑問や欲求が生まれ
新しい旅が始まったのでした。
半幅帯との出会いについて書きましたが
遠州木綿との出会いも含まれていました。
ここから、実際に製作を始めるまで、
そして製作していく中で思ったことを記した
Shigenosuke | イラストレーター「しばきり しげゆき」オフィシャルサイト
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