半幅帯について 後編 〜製作にあたって〜
前回は半幅帯を作ってみようと思い至る経緯を書きました。
それは’19の5月もことでした。
そこからどうした?という続きのお話です。
伝統ってなんだろう?
まずは着物について学習しようと思いました。
帯は着物と合わせて使うものなので
着物を着ることを包括して知る必要性を感じたし
自分も着物を着てみたいと思ったからです。
ネットで検索したり図書館の本を読んでも
正直よくわからないし全く楽しめない。笑
男性向けの着物初心者向けの勉強会に足を運んでもみたが
伝統的とされる内容はピンとこなかった。
むしろそこから逸脱したいという感想を持ちました。
そもそも、色々読んだり聞いたりしても専門用語が身につかなかったです。泣
もうひとつの世界
伝統を知ろうとする中で、「ふだん着物」と言われるくくりで
着物を楽しんでいる人たちの存在を知りました。
ふだん着物サイドの主張は「なんでもあり」ということを見聞きすることが多い。
もちろんそういった人たちの中でも色々なスタイルがあって
いわゆる「着物」の着こなしのイメージから外れない人もいれば
シャツ、セーター、ブーツといった洋服のアイテムと合わせたりする人もいる。
後者はおそらく明治時代にもあっただろうし、すでに伝統的といってもよさそう。
そうかと思えば、女性でもおはしょり無しで角帯といったソリッドなの印象人がいたり
逆に、フリルがついたフェミニンな着物を纏う人もいたりして、
着物を着るという世界は想像よりも多様性があることに驚きました。
着物を着る本人以外の第3者としては、
たとえ自分の想像を超えていたとしても
着てる本人が楽しんでいることを楽しむのが大事だと思いました。
好きな洋服を楽しむように着物を楽しむ、ということであれば
それを求める人たちが一定数以上いて
局所的としか言えないかもしれないけど
盛り上がっているように見えることも納得できました。
これは「高級で難しい着物」への反動、アンチテーゼに見えるし
ファッションを楽しむという意味では健全な考えだと思います。
なぜ着物が高級で難しいものになり着物業界が衰退していったのか
わかりやすくまとめられた記事があったのでリンクを貼っておきます。
着物警察の存在理由が語られていてとても興味深い内容です。
つまるところ自分が思う半幅帯とは、
一般的に流通している帯の中では細いタイプで
着物初心者にも扱いやすいものだということです。
兵児帯を作るという選択肢もありましたが
自分の中にあった帯のイメージにより近い半幅帯を選びました。
いよいよ製作開始、、、
そして’19年の8月の終わりから’20年3月に開催されるはずだった
「いとへんのまち」に向けて、新しく柄を書き起こしたり
すでに手元にあったデザインをアレンジしたりと準備を進めました。
結果としてはコロナ禍と重なり’20年3月の「いとへんのまち」は中止となり
そこから一年以上、自分の半幅帯の活動は実質停止してしまいました。
’21年の夏から2件ほど地元の着物屋さんに委託で扱って頂いくことで
きものユーザーの自分の半幅帯への反応を頂くこともでき再起動できたところです。
実際に作ってみると、縦16cm横420cmというサイズ感は楽しくて
今のところビジネス的に成功とは程遠い状況ですが
続けていこうと思っているところです、かなりゆっくりな進み方ですが。。。
そしてアップデート
当初、帯の中央あたり、締めたときに正面に来るところに
ステンシルで絵付けをしただけでしたが
’20年12月に帯の両端に手書きで柄を付け足す仕様に変更しました。
この流れでいくと、近い将来には長さ4.2mの全体に柄がある仕様になるようにも思えます。
需要がないものを作っても自分も楽しめないので
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まだまだ未熟者ですが、「重之助の半幅帯」をよろしくお願いいたします。
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